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ロクナナハチ(678)編集部

シニア世代の方々の撮影を行っているフォトスタジオ業界の最新情報や撮影テクニック、スタジオ選びのコツなど、皆様に役立つ情報をお届けしています。

「生前遺影撮影」と聞いて、どのような印象を持たれるでしょうか。「まだ元気なのに縁起が悪い」「考えるだけで気が滅入る」と感じる方も少なくないかもしれません。しかし近年では、終活の一環として生前に遺影を準備することが、むしろ前向きで家族思いの選択として広く受け入れられるようになっています。

本記事では、生前遺影撮影に対する心理的なハードルを丁寧に紐解きながら、そのメリットや具体的な撮影方法、費用相場、データの保管方法まで詳しく解説します。ご自身やご家族の将来に備えたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

生前遺影撮影は本当に縁起が悪いのか

生前遺影撮影は本当に縁起が悪いのか

かつて日本では、生前に遺影を撮影することは「死を連想させる」として避けられる傾向にありました。多くの場合、ご遺族がアルバムの中から適切な写真を選び、葬儀社で引き伸ばして遺影を用意するのが一般的でした。

しかし、時代とともに価値観は大きく変化しています。現代では、生前遺影撮影は「前向きな終活」「家族への思いやり」として捉え直されており、決して縁起の悪いものではなくなっています。むしろ、自分の人生を振り返り、これからの生き方を考える大切な機会として、多くの方が前向きに取り組んでいます。

実際に、還暦や古希といった人生の節目を記念して、家族や友人と一緒に撮影を楽しむ方が増えています。撮影そのものを「変身体験」や「記念イベント」として位置づけることで、明るく前向きな気持ちで臨めるのです。遺影という言葉にとらわれず、自分らしい一枚を残す機会と考えれば、心理的なハードルも下がるのではないでしょうか。

生前遺影撮影の3つのメリット

生前遺影撮影の3つのメリット_1

生前遺影撮影には、ご本人にもご家族にも大きなメリットがあります。ここでは代表的な3つのメリットをご紹介します。

家族の精神的・実務的負担を軽減できる

大切な方を亡くした直後、ご遺族は深い悲しみの中で葬儀の準備を進めなければなりません。その中で、限られた時間の中から適切な遺影写真を探し出すことは、想像以上に大きな負担となります。

アルバムの中には何百枚もの写真があるかもしれませんが、遺影に適した構図やサイズ、表情の写真を見つけるのは容易ではありません。さらに、ピントが合っていない、画質が粗い、表情が硬いといった理由で、理想的な写真が見つからないケースも少なくありません。

生前にご本人の意思で遺影を準備しておけば、ご家族はこうした負担から解放されます。「本人が選んだ写真だから」という安心感も、悲しみの中での大きな支えとなるでしょう。

自分らしい納得のいく一枚を残せる

ご自身で遺影を準備する最大のメリットは、服装や髪型、表情まで自分の希望を反映できることです。

普段着のカジュアルな姿で撮影するのも良いですし、フォーマルな装いで凛とした表情を残すこともできます。趣味の楽器やゴルフクラブ、大切なペットと一緒に撮影する方もいらっしゃいます。プロのカメラマンによる撮影であれば、照明や構図、レタッチ技術によって、最高の仕上がりを実現できます。

また、写真館での撮影では、ヘアメイクのプロが明るく健康的な印象に仕上げてくれるため、若々しく自然な表情を残せます。自分が納得できる一枚を選べるという安心感は、何物にも代えがたいものです。

人生を見つめ直すきっかけになる

遺影撮影を通じて「自分はどんな姿を残したいのか」を考えることは、これまでの人生を振り返り、これからの生き方を見つめ直す貴重な機会となります。

どのような服装で、どのような表情で、どんな背景で撮影するか。こうした選択には、ご自身の価値観や大切にしてきたものが自然と反映されます。終活の一環として、自分の人生に向き合う時間を持つことは、残された日々をより豊かに生きるための土台となるでしょう。

生前遺影撮影の具体的な方法と流れ

生前遺影撮影の具体的な方法と流れ

それでは、実際に生前遺影撮影を行う場合、どのような方法があり、どのような流れで進めればよいのでしょうか。ここでは撮影場所の選び方から、撮影時のポイント、当日の流れまで詳しく解説します。

撮影場所の選び方

生前遺影撮影は、主に次の3つの方法で行うことができます。

写真館やフォトスタジオでの撮影は、最も一般的で安心感のある選択肢です。プロのカメラマンによる撮影に加え、照明や背景が整った環境で撮影できるため、高品質な仕上がりが期待できます。多くのスタジオでは、ヘアメイクのサービスも提供しており、明るく健康的な印象に仕上げてもらえます。

例えば、60代・70代・80代のための撮影サービス「ロクナナハチ(678)」では、シニア世代に特化したヘアメイクと撮影技術で、記念日の写真として楽しみながら生前撮影ができます。遺影という言葉を使わず、変身体験や記念撮影として前向きに捉えられるため、心理的なハードルも低くなります。全国の写真館で利用可能で、累計12,000人を超える方々が利用されています。

出張撮影サービスを利用すれば、ご自宅や思い出の場所で撮影することも可能です。慣れた環境でリラックスして撮影できるため、自然な表情を残しやすいというメリットがあります。ただし、照明や背景の調整に限界があるため、写真館と比べると仕上がりにばらつきが出る可能性があります。

スマートフォンやデジタルカメラで自宅撮影を行う方法もありますが、遺影として使用する場合は注意が必要です。遺影は葬儀の際に大きく引き伸ばされるため、高画質で撮影し、顔(特に目)にしっかりピントが合っていることが重要です。自然光を活用し、明るい時間帯に撮影することをおすすめします。

撮影時のポイント

遺影に適した写真を撮影するには、いくつかのポイントがあります。

服装は、明るい色味のものを選ぶと表情が柔らかく見えます。白やパステルカラー、ベージュなどの暖色系は、顔色を明るく見せる効果があります。一方で、黒や紺などの暗い色は顔が沈んで見えやすいため、避けたほうが無難です。ただし、ご自身らしさを大切にすることが最も重要ですので、好きな服装で撮影することを優先してください。

メイクについては、血色をよく見せるチークや、明るいリップカラーを取り入れると、健康的で若々しい印象になります。男性の場合も、軽くファンデーションを使うことで肌のトーンが整い、写真映えします。写真館では、プロのメイクアーティストがシニア世代に適したメイクを施してくれるため、安心して任せることができます。

表情は、自然で穏やかな笑顔が理想的です。無理に笑おうとするのではなく、カメラマンとの会話を楽しみながら撮影することで、自然な表情を引き出せます。口角を少し上げる程度の柔らかい笑顔が、遺影には最も適しています。

ピントと画質については、特に注意が必要です。遺影は四つ切りサイズ(254mm×305mm)程度に引き伸ばされることが多いため、元の写真が高画質でなければぼやけてしまいます。スマートフォンで撮影する場合は、画質設定を最高にし、顔のアップで撮影することを心がけてください。

撮影の流れと準備

写真館で撮影する場合、一般的な流れは次の通りです。

まず、事前に電話やウェブサイトから撮影の予約を行います。この際、生前遺影撮影であることを伝えておくと、スタッフが適切なプランを提案してくれます。一部のスタジオでは、ご本人の前では「ポートレート撮影」として対応してくれるため、親御さんに撮影を勧めたい場合にも安心です。

撮影当日は、予約時間の15分前には到着し、受付を済ませます。ヘアメイク付きプランの場合は、専門のスタッフがヘアセットとメイクを行います。所要時間は30分から1時間程度です。

撮影本番では、カメラマンが複数のポーズや表情を撮影します。一般的には10カットから20カット程度撮影し、その中からベストショットを選びます。撮影時間は15分から30分程度が目安です。

撮影後は、その場でモニターを見ながら写真を選びます。修整の希望(しみやしわの補正など)があれば、この時点で伝えておきましょう。データの受け取り方法は、CDやUSBメモリ、オンラインダウンロードなどスタジオによって異なります。

生前遺影撮影の費用相場とプラン選び

生前遺影撮影の費用は、撮影場所やプラン内容によって大きく異なります。一般的な相場は、1万5千円から3万円程度です。

基本プランには、撮影料と写真データ1枚が含まれることが多く、この場合の料金は1万5千円から2万円程度です。ヘアメイクが付いたプランでは、2万円から3万円程度が相場となります。

オプションサービスとしては、追加のヘアセット、プロによるメイク、家族写真の撮影、屋外での撮影、ペットとの撮影などがあります。これらのオプションを追加すると、料金は3万円を超えることもあります。

プランを選ぶ際には、データの納品形式に注意してください。データのみの納品か、プリント写真も含まれるか、修整の範囲はどこまでかなど、細かい内容を事前に確認しておくことが大切です。また、撮影データの著作権や、追加プリントの料金についても確認しておくと安心です。

複数のスタジオで見積もりを取り、サービス内容と料金を比較検討することをおすすめします。単に安いプランを選ぶのではなく、ご自身が納得できる仕上がりを実現できるプランを選ぶことが重要です。

データの保管と更新について

データの保管と更新について

撮影したデータは、適切に保管し、ご家族と共有しておくことが大切です。

データ形式については、高画質のJPEG形式が一般的です。スタジオから受け取ったデータは、複数の場所にバックアップを取っておきましょう。パソコンのハードディスク、外付けハードディスク、クラウドストレージなど、少なくとも2カ所以上に保存しておくことをおすすめします。

家族への共有方法としては、メールでの送信やUSBメモリでの受け渡しが安全です。LINEやX(旧Twitter)などのSNSで写真を送信すると、アプリ側で自動的に画質が圧縮されてしまうため、遺影として使用する際に画質が劣化してしまいます。高画質のまま共有するためには、メールやクラウドストレージ、SDカードなどを利用しましょう。

また、遺影写真は一度撮影したら終わりではありません。年齢を重ねるにつれて容姿も変化しますので、5年ごとや人生の節目(還暦、古希、喜寿など)のタイミングで更新することをおすすめします。その時々の自分らしい姿を残しておくことで、より満足度の高い遺影を準備できます。

まとめ

生前遺影撮影は、決して縁起の悪いものではなく、前向きな終活の一環として、また家族への思いやりとして広く受け入れられています。ご自身が納得できる一枚を残せることに加え、ご家族の精神的・実務的な負担を軽減できるという大きなメリットがあります。

撮影方法は、写真館でのプロ撮影、出張撮影、セルフ撮影などさまざまな選択肢があります。費用相場は1万5千円から3万円程度で、ヘアメイクや修整などのサービス内容によって変動します。撮影の際は、明るい服装と自然な表情を心がけ、高画質でピントの合った写真を選ぶことが重要です。

生前に記念撮影として楽しみながら準備することで、心理的なハードルも下がります。例えば、60代・70代・80代のための撮影サービス「ロクナナハチ(678)」のように、変身体験や記念日の撮影として前向きに捉えられるサービスも増えています。詳しくはロクナナハチ公式サイトでお近くの対応スタジオを探すことができます。

まずは情報収集から始め、ご自身やご家族に合った方法を検討してみてください。人生の大切な節目として、自分らしい一枚を残す準備を、今から始めてみてはいかがでしょうか。