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ロクナナハチ(678)編集部

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お葬式において写真は、故人を偲び、最後のお別れを形に残すための大切な要素です。しかし、いざ準備や撮影を考えたとき、どのような写真を選べばよいのか、葬儀の場で撮影してもよいのか、迷われる方も多いのではないでしょうか。

お葬式における写真は、大きく分けて2つの役割があります。ひとつは祭壇に飾る遺影写真、もうひとつは葬儀の様子を記録する撮影です。それぞれに適切な準備方法とマナーがあり、遺族や参列者への配慮が求められます。

本記事では、遺影写真の選び方やサイズ、飾り方といった準備面から、葬儀中の記録撮影におけるマナーや注意点まで、お葬式の写真に関する基礎知識を包括的に解説いたします。事前に知っておくことで、故人らしいお別れの場をつくることができるでしょう。

お葬式で使う遺影写真とは

お葬式で使う遺影写真とは

遺影写真とは、お通夜や葬儀の際に祭壇に飾る故人の写真のことです。祭壇の中央に配置され、参列者が故人の姿を偲びながら最後のお別れをする際の象徴的な存在となります。

遺影写真は葬儀だけでなく、その後の法要や四十九日、一周忌といった節目の儀式でも使用されます。また、葬儀が終わった後も自宅の仏壇近くに飾られることが多く、長期間にわたって故人を偲ぶための大切な写真となるのです。

かつては白黒写真で正装した堅い表情の遺影が一般的でしたが、現在ではカラー写真が主流となり、故人らしい自然な表情やリラックスした雰囲気の写真が選ばれるようになりました。フレームも黒枠だけでなく、木目調や明るい色のものを選ぶご家族も増えています。

遺影写真は故人の人柄を伝える重要な役割を担っているため、写真選びには十分な時間と配慮が必要です。

遺影写真の選び方のポイント

遺影写真の選び方のポイント

遺影写真を選ぶ際には、いくつかの重要なポイントがあります。まず最も大切なのは、カメラ目線で故人が自然な表情をしている写真を選ぶことです。参列者が遺影を見たときに、故人の温かな人柄や生き生きとした姿を感じられる写真が理想的とされています。

次に、ピントが合っていて鮮明な写真であることも重要です。遺影写真は祭壇に大きく引き伸ばして飾られるため、もともとの写真がぼやけていたり、画質が粗かったりすると、拡大した際に不鮮明になってしまいます。スマートフォンで撮影した写真でも、明るい場所で撮影されたピントの合ったものであれば使用できます。

また、闘病中の写真ではなく、元気な頃の写真を選ぶのが一般的です。参列者に故人の健やかな姿を覚えていてほしいという遺族の想いから、病気になる前の明るい表情の写真が好まれます。旅行先での笑顔の写真や、趣味を楽しんでいるときの写真など、故人らしさが表れているものを選ぶとよいでしょう。

複数人が写っている集合写真しかない場合でも、現在では写真加工技術により、故人だけを切り抜いて遺影として使用することが可能です。葬儀社に相談すれば、背景の調整や明るさの補正なども行ってもらえます。

遺影写真のサイズと準備方法

四つ切りサイズ遺影額

遺影写真のサイズは、使用する場所によって異なります。祭壇用としては、四つ切りサイズ(254mm×305mm)やA4サイズなどが一般的に用いられます。これらのサイズは祭壇の中央に飾るのに適しており、参列者からも見やすい大きさです。

葬儀後の後飾り祭壇や自宅の仏壇周辺に飾る場合には、L判や2Lサイズといった小さめのサイズが使われることもあります。葬儀社によっては、祭壇用と後飾り用の両方のサイズを用意してくれる場合もありますので、事前に確認しておくとよいでしょう。

写真の準備は、葬儀社に依頼すれば引き伸ばしや加工、フレームの手配まで一括して対応してもらえます。料金は葬儀プランに含まれている場合もあれば、別途費用がかかる場合もありますので、見積もりの際に確認が必要です。

近年では、生前に遺影写真を撮影しておくという選択肢も広がっています。例えば、60代・70代・80代のための撮影サービス「ロクナナハチ(678)」では、プロのヘアメイクと撮影技術により、記念日の写真として生前に撮影することができます。全国の写真館で利用可能なシニア撮影専門サービスです。「変身体験」として楽しみながら、万が一の時にも使える写真を準備できるため、元気なうちに納得のいく写真を残しておきたい方に選ばれています。

生前撮影には、本人が納得した表情や雰囲気の写真を選べる、時間をかけて撮影できる、家族と一緒に思い出をつくれるといったメリットがあります。

遺影写真の飾り方と保管

遺影写真の飾り方と保管

葬儀が終わった後、遺影写真は四十九日を過ぎた頃から、仏壇の近くや故人が生前よく過ごしていた場所に飾るのが一般的です。仏壇の横や上部、リビングの目につく場所など、家族が日常的に手を合わせやすい位置に配置します。

飾る際には、直射日光が当たらない場所を選ぶことが大切です。日光により写真が色あせてしまうのを防ぐためです。また、湿気の多い場所も避け、風通しのよい環境で保管することで、写真を長持ちさせることができます。

遺影写真のフレームは定期的に拭き掃除を行い、ほこりがたまらないよう清潔に保ちましょう。写真そのものを保護するため、ガラスやアクリル板で覆われたフレームを使用することをおすすめします。

また、遺影写真のデータや予備の写真を別途保管しておくと、将来的に複製が必要になった際や、フレームを新調したい場合にも対応できます。デジタルデータであれば、パソコンや外付けハードディスクに保存しておくと安心です。

お葬式での記録撮影のマナー

お葬式の様子を写真に収めたいと考える方もいらっしゃいますが、撮影する前には必ず喪主や遺族に許可を得ることが最も重要なマナーです。遺族によっては、故人を撮影されることや葬儀の様子を記録されることを望まない場合もあります。また、葬儀場によっては撮影自体を禁止している施設もあるため、葬儀社のスタッフにも確認が必要です。

許可を得て撮影する際には、シャッター音やフラッシュに配慮しましょう。厳粛な雰囲気の中で大きな音が鳴ったり、フラッシュが光ったりすると、葬儀の進行を妨げるだけでなく、他の参列者の心情を害してしまいます。スマートフォンやカメラの設定で、シャッター音を消音にし、フラッシュをオフにしてから撮影してください。

読経や焼香といった儀式の最中は、撮影を控えるのが礼儀です。これらの場面は特に神聖な時間であり、撮影行為が不謹慎に映る可能性があります。撮影するのであれば、儀式の合間や参列者が着席している静かな時間を選びましょう。

また、祭壇に背を向けての撮影は失礼にあたるため、撮影位置にも注意が必要です。祭壇の側面や斜め前から、控えめな位置で撮影するよう心がけてください。

撮影してよい場面と避けるべき場面

お葬式で撮影が許されるのは、主に集合写真や祭壇、供花といった場面です。地域によっては、告別式の前や出棺前に遺族・親族が祭壇の前で集合写真を撮る習慣があります。北海道など一部の地域では、親戚が一堂に会する機会として、プロのカメラマンが集合写真を撮影することが一般的です。

祭壇や供花は、葬儀の記録として撮影されることが多い被写体です。美しく飾られた祭壇は故人への想いが込められており、後から見返したときに葬儀の雰囲気を思い出すことができます。ただし、祭壇を撮影する際には、他の参列者が写り込まないよう配慮が必要です。

一方で、避けるべきなのは故人の姿を直接撮影することです。棺に納められた故人の顔や遺体を撮影することは、多くの場合マナー違反とされています。最後の姿を記録に残したいという気持ちは理解できますが、遺族の心情を最優先に考え、控えるべきでしょう。

また、参列者の顔がはっきり写る写真も注意が必要です。葬儀に参列していることを他人に知られたくないという方もいらっしゃいますので、参列者を撮影する場合は本人の許可を得るか、後ろ姿や遠景にとどめるなどの配慮が求められます。

撮影した写真の扱い方

葬儀で撮影した写真は、あくまで個人的な記録として大切に保管し、SNSなどのインターネット上に公開することは避けるべきです。近年、SNSに葬儀の様子をアップロードする方が見受けられますが、遺族や他の参列者が不快に感じる可能性が高く、マナー違反とされています。

特に、故人の顔や棺が写っている写真、参列者が特定できる写真をSNSに投稿することは、プライバシーの侵害にもなりかねません。芸能人や著名人の葬儀であっても、同様の配慮が必要です。

撮影した写真は、家族や親族間で共有する範囲にとどめましょう。共有する際には、クラウドストレージの限定公開機能を使ったり、メールやメッセージアプリで直接送信したりするなど、外部に漏れない方法を選んでください。

記録として保存する場合は、日付やイベント名を付けて整理しておくと、後から見返す際に便利です。デジタルデータはパソコンや外付けハードディスク、クラウドサービスなど複数の場所にバックアップを取っておくことで、大切な記録を失うリスクを減らせます。

プロのカメラマンに依頼するメリット

葬儀の記録撮影は、プロのカメラマンに依頼することも可能です。多くの葬儀社では、オプションサービスとして撮影プランを用意しており、事前に相談すれば手配してもらえます。

プロに依頼する最大のメリットは、葬儀の進行を妨げることなく、高品質な記録を残せることです。プロのカメラマンは葬儀のマナーを熟知しており、適切なタイミングと位置で撮影してくれます。また、腕章などでスタッフと分かるようにしているため、他の参列者に不快感を与えることも少なくなります。

遺族や親族が自分で撮影する場合、葬儀に集中できなかったり、大切な場面を撮り逃したりする可能性があります。プロに任せることで、故人とのお別れに専念でき、後から見返したときにも満足できる写真を残すことができるでしょう。

料金は葬儀社やカメラマンによって異なりますが、一般的には2万円から5万円程度が相場です。撮影枚数やアルバム作成の有無、データ納品の形式などによって価格が変動しますので、見積もり時に詳細を確認しておくことをおすすめします。

まとめ

お葬式における写真は、遺影写真の準備と葬儀中の記録撮影という2つの側面があります。遺影写真は故人を偲ぶ象徴として長く使われるものですから、カメラ目線で自然な表情、鮮明でピントの合った写真を選ぶことが大切です。サイズは祭壇用に四つ切りやA4、後飾り用にL判や2Lサイズが一般的で、葬儀社に依頼すれば加工や引き伸ばしも対応してもらえます。

近年では、元気なうちに納得のいく写真を準備しておく生前撮影という選択肢も広がっています。記念日の撮影として楽しみながら、万が一の時にも使える写真を残しておくことで、家族の負担を減らすこともできるでしょう。

葬儀中の記録撮影については、必ず遺族や葬儀社に許可を得てから行い、シャッター音やフラッシュを消し、読経や焼香中は控えるといったマナーを守ることが求められます。撮影した写真はSNSに公開せず、家族や親族間での記録として大切に保管しましょう。プロのカメラマンに依頼すれば、マナーを守りながら高品質な記録を残すことができます。

お葬式の写真は、故人との最後の時間を形に残す大切な手段です。準備とマナーの両面に配慮しながら、故人らしいお別れの場をつくることができれば、それは家族にとってかけがえのない記憶となるはずです。生前撮影を検討される方は、ロクナナハチ公式サイトでお近くの対応スタジオを探すことができます。