生前に遺影写真を撮影する方が増えています。かつては「縁起が悪い」と避けられていた遺影の準備ですが、終活への意識が高まる中で、元気なうちに納得のいく写真を残しておきたいと考える方が多くなりました。
遺影写真撮影を検討するとき、多くの方が気になるのは「費用はどれくらいかかるのか」「どこで撮影すればいいのか」「当日は何を準備すればいいのか」という点ではないでしょうか。
この記事では、遺影写真撮影の費用相場からスタジオの選び方、服装やメイクの準備、撮影当日の流れ、そして撮影後の写真の活用方法まで、初めての方でも安心して進められるよう詳しく解説します。60代・70代・80代のシニア世代の方はもちろん、ご家族の遺影準備をサポートしたい方にも役立つ内容をまとめました。
遺影写真撮影とは?近年増えている理由
遺影写真とは、葬儀の際に祭壇に飾られる故人の写真のことです。お通夜や告別式で参列者が故人を偲ぶための大切な写真であり、葬儀後も四十九日の間は後飾り祭壇に、その後は仏壇の近くに飾られることが一般的です。遺影は単なる写真ではなく、故人の人柄や生き方を伝え、残された方々の心の支えとなる存在です。
従来、遺影写真は故人が亡くなった後にご遺族がアルバムの中から選ぶものでした。しかし近年では、生前に自分で遺影写真を準備する方が増えています。その背景には、いくつかの理由があります。
まず、終活への関心の高まりが挙げられます。エンディングノートの作成や葬儀の事前準備など、人生の最期を自分らしく迎えるための活動が広く認知されるようになりました。遺影写真の準備も、その一環として捉えられています。「生前に遺影を準備するのは縁起が悪い」という考え方は薄れ、むしろ「元気なうちに自分らしい写真を残しておきたい」という前向きな姿勢が広がっています。
次に、ご家族への配慮があります。大切な人を亡くした直後の悲しみの中で、葬儀の準備と並行して遺影写真を選ぶのは、ご遺族にとって大きな負担です。限られた時間の中で、ピントが合っていて表情が良く、本人らしさが伝わる写真を探すのは容易ではありません。生前に納得のいく写真を準備しておくことで、残されたご家族の負担を軽減できます。
さらに、遺影写真撮影を前向きな記念撮影として楽しむ方も増えています。還暦や古希、喜寿などの節目に、プロのヘアメイクと撮影技術で「今の自分」を美しく残す。その写真がいつか遺影としても使えるという考え方です。撮影そのものを楽しいイベントとして捉え、ご家族と一緒に来店される方も多くいらっしゃいます。
生前に遺影を準備することのメリットについては、「遺影撮影を生前に行うメリットとは?後悔しない写真の残し方」でさらに詳しく解説しています。
遺影写真撮影はこんな方におすすめ
遺影写真撮影は、さまざまな目的や状況の方に選ばれています。ご自身の状況に当てはまるものがあれば、前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
還暦・古希・喜寿などの節目を迎える方
60歳の還暦、70歳の古希、77歳の喜寿、80歳の傘寿など、人生の節目は記念撮影の絶好のタイミングです。お祝いの記念写真として撮影し、その写真を将来的に遺影としても活用できます。ご家族と一緒に撮影すれば、大切な思い出にもなります。
終活を始めた方・ご家族の負担を減らしたい方
エンディングノートの作成や葬儀の事前相談を始めた方にとって、遺影写真の準備は終活の重要な一歩です。自分が納得できる写真を選んでおくことで、ご家族が慌てて写真を探す必要がなくなります。
最近撮った良い写真がない方
スマートフォンで気軽に写真が撮れる時代ですが、「自分一人でしっかり写った写真がない」「表情が気に入った写真がない」という方は意外と多いものです。プロのカメラマンに撮影してもらうことで、自然な笑顔の美しい写真を残せます。
病気をきっかけに今の姿を残したい方
大きな病気を経験したことをきっかけに、元気な今の姿を写真に残しておきたいと考える方もいらっしゃいます。年齢に関係なく、自分と向き合う一つの機会として撮影を決意される方は少なくありません。
プロの撮影を体験してみたい方
ヘアメイクからプロに任せて、スタジオで本格的な撮影を体験したいという方にもおすすめです。普段とは違う自分の姿を写真に残すことは、特別な体験になります。一人での来店も多く、気軽に利用できます。
遺影写真撮影の費用相場を作り方別に解説
遺影写真を準備する方法は大きく3つあり、それぞれ費用相場が異なります。ご自身の予算や希望に合わせて選びましょう。
写真館・フォトスタジオで撮影する場合
写真館やフォトスタジオでプロに撮影してもらう方法は、最も多くの方に選ばれています。
撮影のみの基本プランであれば1万円から1万5,000円程度、ヘアメイク込みのプランで1万5,000円から2万5,000円程度という価格設定が一般的です。ただし、実際には多くの方が額縁やデータ提供を含むフルパッケージを選択されており、4万円から5万円程度が現実的な相場となっています。
フルパッケージには通常、プロによるヘアメイク、撮影、写真データの提供、四切サイズ(葬儀用)やキャビネサイズ(自宅用)の額縁付きプリントなどが含まれます。追加費用なしで遺影として使える形で受け取れるため、多くの方に支持されています。
例えば、60代・70代・80代のためのシニア撮影専門サービス「ロクナナハチ(678)」では、プロのヘアメイクと撮影技術で、記念日の写真として生前に撮影することができます。全国の写真館で利用でき、累計12,000人以上の方が利用されています。
葬儀社の撮影サービスを利用する場合
一部の葬儀社では、生前の遺影撮影サービスを提供しています。葬儀の事前相談と同時に撮影の予約ができるため、終活を一括で進めたい方には便利な選択肢です。
費用相場は2万5,000円から3万円程度です。葬儀で実際に使用するサイズや形式に合わせて準備してもらえる安心感がありますが、撮影は提携先のスタジオに委託しているケースも多いため、サービス内容や雰囲気は事前に確認しておくとよいでしょう。
既存の写真を加工して作成する場合
すでに気に入った写真がある場合は、その写真を遺影用に加工するという選択肢もあります。
写真の修正や背景の変更などの加工のみであれば5,000円から7,000円程度、額縁を追加すると1万円から1万2,000円程度になります。最も費用を抑えられる方法ですが、元の写真の解像度が低かったり、ピントが合っていなかったりすると、きれいに仕上がらない可能性があります。
また、集合写真から一人だけを切り出す場合は、拡大によって画質が粗くなることもあるため注意が必要です。
費用についてさらに詳しく知りたい方は、「遺影写真撮影の値段は?作り方別の費用相場と選び方」もご覧ください。
遺影写真撮影ができる場所と特徴
遺影写真撮影を依頼できる場所は複数あります。それぞれの特徴を理解した上で、ご自身に合った撮影場所を選びましょう。
写真館・フォトスタジオ
遺影写真撮影の最も一般的な選択肢です。遺影撮影専門のプランを用意しているスタジオも増えており、プロのカメラマンによる撮影、豊富な背景バリエーション、加工・修正技術など、高品質な遺影を残すための環境が整っています。
写真館での撮影のメリットは、遺影撮影の経験豊富なプロが対応してくれる点です。表情の引き出し方、照明の調整、背景の選定など、遺影にふさわしい写真を撮影するためのノウハウを持っています。また、撮影データを提供してくれるスタジオが多いため、万が一写真を紛失した際のバックアップとしても安心です。
特に60代・70代・80代のシニア世代に特化したサービスを選ぶと、その年代ならではの魅力を引き出す撮影技術やヘアメイクを受けられます。たとえばロクナナハチのようなシニア専門の撮影サービスを利用すれば、「変身体験」として楽しみながら、万が一の時にも使える写真を準備できます。
葬儀社
葬儀社での撮影は、葬儀の事前相談と合わせて遺影の準備を進められる点がメリットです。葬儀の流れを熟知しているため、実際に使用する際のサイズや形式についてもアドバイスを受けられます。
ただし、撮影自体は提携先のスタジオに委託しているケースが多く、料金が割高になる場合があります。また、撮影の雰囲気が事務的になりがちという声もあるため、記念撮影としても楽しみたい方は事前に確認しておきましょう。
出張撮影サービス
カメラマンが自宅や思い出の場所に訪問して撮影する出張撮影も選択肢の一つです。慣れ親しんだ環境でリラックスして撮影できるため、自然な表情を残しやすいというメリットがあります。
外出が難しい方や、自宅の庭や書斎など特定の場所で撮影したい方に適しています。ただし、出張費用が加算されるため、スタジオ撮影よりも高額になることが多い点と、照明環境によっては仕上がりに差が出る可能性がある点は考慮が必要です。
失敗しないスタジオ選び5つのポイント
遺影写真は人生で一度の大切な撮影です。後悔のないスタジオ選びのために、以下の5つのポイントを確認しましょう。
1. 背景のバリエーションが豊富か
遺影の印象は背景によって大きく変わります。シンプルな白、落ち着いたベージュやグレー、品のあるブルーなど、複数の色から選べるスタジオを選ぶことで、ご自身の雰囲気に合った背景を見つけやすくなります。
事前にホームページで背景サンプルを確認するか、問い合わせ時に選択肢を聞いておくとよいでしょう。背景の選び方について詳しくは「遺影写真の背景はどう選ぶ?色の意味と生前準備のすすめ」で解説しています。
2. 加工・修正技術があるか
年齢を重ねると、シワやシミ、くすみなどが気になる方も多いでしょう。基本的な美肌加工やシワの軽減、明るさ調整などを標準プランに含んでいるスタジオを選ぶことで、自然でありながら美しい仕上がりが期待できます。
過度な加工は本人らしさを損なうため、あくまで自然な範囲での修正に対応しているスタジオが理想的です。カメラマンの隣に座って、一緒に画面を確認しながら修正内容を相談できるスタジオもあります。
3. 写真データがもらえるか
プリント写真だけでなく、デジタルデータも受け取れるスタジオを選びましょう。データがあれば、複数のサイズにプリントしたり、デジタルフォトフレームで使用したり、用途が広がります。また、万が一写真を紛失した際のバックアップとしても重要です。
一部のスタジオではデータ提供に追加料金がかかる場合もあるため、料金体系を事前に確認しておきましょう。
4. ヘアメイクサービスが充実しているか
プロのヘアメイクが基本プランに含まれているか、オプションとして追加できるかを確認しましょう。特に女性の場合、メイクの有無で写真の仕上がりは大きく変わります。
フルメイクに60分程度かけてじっくり仕上げてもらえるスタジオなら、特別な体験として楽しめると同時に、より満足度の高い遺影を残せます。男性の場合もヘアセットを整えてもらうことで、清潔感のある印象に仕上がります。
5. アクセスが良く予約が取りやすいか
自宅から通いやすい場所にあるか、駐車場は完備されているか、予約が取りやすいかなども実用的な観点から重要です。特に体力に不安がある方は、負担の少ないスタジオ選びが大切です。
また、撮影後に写真を受け取りに行く必要があるスタジオと、当日その場で受け取れるスタジオがあります。再来店の手間を省きたい方は、当日受け取りが可能かどうかも確認しておきましょう。
遺影写真撮影の服装とメイク準備
撮影当日を成功させるためには、服装とメイクの事前準備が欠かせません。男女別のポイントを押さえておきましょう。
服装選びのポイント
遺影写真の服装に厳格な決まりはありませんが、葬儀で多くの方が目にする写真であることを考えると、ある程度きちんとした装いが望ましいでしょう。
男性の場合は、スーツやジャケットにネクタイという組み合わせが定番です。紺やグレーなど落ち着いた色味を選ぶと、品のある印象に仕上がります。ネクタイの色や柄で個性を出すこともできます。
女性の場合は、ブラウスやワンピース、着物など選択肢が豊富です。明るすぎない落ち着いた色味で、首元がすっきり見えるデザインがおすすめです。パールのネックレスなど上品なアクセサリーを添えると、より華やかな印象になります。
最近では、お気に入りの服や普段よく着ている服で撮影し、その人らしさを残すという考え方も広がっています。極端にカジュアルな服装や派手すぎる色柄は避けつつ、自分らしい服装を選びましょう。
服装についてさらに詳しく知りたい方は、「遺影写真の服装選び|男女別おすすめと失敗しないポイント」をご覧ください。
メイク・ヘアセットの準備
スタジオでヘアメイクサービスを受ける場合は、当日はスタイリング剤やヘアオイルをなるべく付けずに来店するとスムーズです。女性でメイクをして来店される場合も、プロのメイクに切り替えるため問題ありません。
ご自身でメイクをして撮影に臨む場合は、普段よりも少し明るめのメイクを意識しましょう。撮影時の照明によって顔色が飛んで見えることがあるため、チークやリップは暖色系で血色よく仕上げると、温かみのある表情になります。
男性の場合も、眉毛を整えておくと清潔感のある印象になります。当日はスタッフがヘアセットを整えてくれるスタジオがほとんどですので、特別な準備は必要ありません。
撮影当日の流れと所要時間
遺影写真撮影がどのように進むのか、事前に流れを知っておくことで安心して当日を迎えられます。
来店・カウンセリング(約15分)
スタジオに到着したら、まずスタッフとのカウンセリングがあります。撮影の目的や仕上がりのイメージ、背景の希望などを伝えましょう。服装についてアドバイスをもらうこともできます。一人で来店される方も多いので、気負わずリラックスして臨んでください。
ヘアメイク(約30〜60分)
カウンセリングが終わったら、ヘアメイクに入ります。女性の場合、フルメイクとヘアセットで60分程度かかることが一般的です。プロのヘアメイクスタッフが、お顔の特徴や服装に合わせて、自然で美しい仕上がりを目指します。
男性の場合はヘアセットが中心となり、30分程度で完了することが多いです。整髪料を使って自然にスタイリングし、清潔感のある印象に仕上げます。
撮影(約20〜30分)
ヘアメイクが完了したら、いよいよ撮影です。プロのカメラマンが表情や角度を変えながら複数枚撮影します。最初は緊張する方も多いですが、カメラマンが声をかけながら自然な笑顔を引き出してくれるため、徐々にリラックスできます。
カメラ目線で穏やかに微笑む正面からの写真が基本ですが、少し角度をつけたポーズなど、バリエーションを撮影してくれるスタジオもあります。
写真選び・仕上がり確認(約15〜20分)
撮影後は、その場でモニターを見ながらベストショットを選びます。気になる部分があれば、シミやシワの軽減、明るさ調整などの修正について相談できます。
当日受け取りが可能なスタジオでは、プリント写真やデータをその場で受け取れます。後日受け取りの場合は、1週間から10日程度で完成するのが一般的です。
所要時間の目安
全体の所要時間は、ヘアメイクと撮影を合わせて80分から90分程度が目安です。余裕を持ったスケジュールで来店することをおすすめします。体調に不安がある場合は、途中で休憩を挟めるかどうか事前に確認しておくと安心です。
撮影後の写真の活用と保管方法
せっかく撮影した遺影写真は、適切に保管し、必要な時にすぐに使えるようにしておくことが大切です。
データの保管場所を決める
撮影データを受け取ったら、複数の場所に保存しておきましょう。パソコンやスマートフォンだけでなく、USBメモリやクラウドストレージにもバックアップを取っておくと安心です。
保管場所は、ご家族にも伝えておくことが重要です。エンディングノートに「遺影写真のデータはUSBメモリに保存、場所は◯◯」と記載しておけば、いざという時にご家族が慌てずに済みます。
プリント写真の保管
額縁に入ったプリント写真は、直射日光の当たらない場所で保管しましょう。日光に長時間さらされると、写真が色褪せてしまうことがあります。湿気の少ない場所を選ぶことも大切です。
自宅に飾っておきたい場合は、リビングや寝室など、普段過ごす場所に小さめのサイズを飾っておくのもよいでしょう。記念写真として楽しむことで、撮影の思い出も日常の中で感じられます。
写真立ての選び方
遺影写真を飾る写真立て(フレーム)にも、決まったルールはありません。白や黒、木目調など落ち着いた色柄が選ばれることが多いですが、故人のイメージに合わせて選ぶこともできます。
葬儀用の大きなサイズ(四切)と、自宅用の小さなサイズ(キャビネやL判)では、適切なフレームも異なります。写真立ての選び方について詳しくは「遺影写真立ての選び方|適切な色と飾り方のポイント」で解説しています。
ご家族への共有
撮影した写真は、ご家族にも見てもらいましょう。「この写真を遺影に使ってほしい」と伝えておくことで、ご家族も安心できます。複数枚撮影した場合は、どの写真を遺影にするか、ご家族の意見を聞いてみるのもよいでしょう。
また、撮影したことをきっかけに、葬儀の希望などについてご家族と話し合う機会を持つこともできます。生前に準備しておくことの大切さを、自然な形で共有できるでしょう。
まとめ
遺影写真撮影は、終活の一環としてだけでなく、人生の節目を記念する特別な体験として、多くの方に選ばれるようになっています。生前に自分らしい写真を準備しておくことで、ご自身も納得でき、ご家族の負担も軽減できます。
費用相場は、写真館でのフルパッケージで4万円から5万円程度が一般的です。葬儀社での撮影は2万5,000円から3万円程度、既存写真の加工であれば5,000円から1万2,000円程度で準備できます。
スタジオ選びでは、背景のバリエーション、加工技術、データ提供、ヘアメイクサービス、アクセスの良さという5つのポイントを確認しましょう。特に60代・70代・80代のシニア世代の方は、その年代の魅力を引き出す撮影経験が豊富なスタジオを選ぶことをおすすめします。
撮影当日は、ヘアメイクに30分から60分、撮影に20分から30分、全体で80分から90分程度の所要時間です。服装は清潔感のあるきちんとした装いを基本に、自分らしさも大切にしてください。撮影後は、データの保管場所をご家族に伝えておくことで、いざという時にも安心です。
生前に記念撮影を検討される方は、ロクナナハチ公式サイトでお近くの対応スタジオを探すことができます。ロクナナハチは60代・70代・80代のためのシニア撮影専門サービスとして、全国の写真館で利用可能です。プロのヘアメイクと撮影技術、そして「変身体験」という楽しさで、あなたの魅力を引き出す一枚をお手伝いします。
元気な今のうちに、納得のいく写真を準備してみてはいかがでしょうか。撮影という特別な体験を通じて、ご自身の人生を振り返り、これからの日々をより豊かに過ごすきっかけにもなるはずです。