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ロクナナハチ(678)編集部

シニア世代の方々の撮影を行っているフォトスタジオ業界の最新情報や撮影テクニック、スタジオ選びのコツなど、皆様に役立つ情報をお届けしています。

葬儀を終えた後、ご自宅に持ち帰った遺影の扱いに悩まれる方は少なくありません。「いつまで飾っておくべきなのか」「処分してもよいのか」「どこに飾るのが正しいのか」といった疑問は、多くのご遺族が抱える共通の悩みです。

遺影には位牌のような宗教的な意味はなく、明確なルールも存在しません。しかし、一般的な慣習や目安を知っておくことで、ご家族にとって最適な判断ができるようになります。この記事では、遺影を飾る基本的な期間から四十九日以降の選択肢、さらには生前に準備する方法まで、幅広くご紹介します。

遺影を飾る基本的な期間と意味

遺影を飾る基本的な期間と意味

四十九日(五十日祭)までは後飾り祭壇に

葬儀が終わった後、遺影はまずご自宅の後飾り祭壇に飾ります。後飾り祭壇とは、納骨までの一時的な祭壇のことで、遺骨や白木位牌と一緒に遺影を安置する場所です。この祭壇は、葬儀に参列できなかった方が弔問に訪れる際の礼拝の場所にもなります。

仏教では、人が亡くなってから四十九日間は故人の魂がこの世に留まると考えられています。そのため、四十九日法要までは後飾り祭壇をそのまま維持し、遺影も飾り続けるのが一般的です。四十九日法要と同じ日に納骨を行うことが多く、このタイミングで後飾り祭壇は片付けられます。

宗教によって期間は異なります。神道では五十日祭まで、キリスト教ではカトリックの追悼ミサやプロテスタントの昇天記念日まで飾ることが多いです。ご自身の宗教や宗派に応じて、適切な期間を確認しておくとよいでしょう。

遺影そのものに宗教的な意味はない

遺影は故人の姿を思い出し、偲ぶための写真です。位牌のように魂が宿るとされるものではなく、宗教的な意味は特にありません。だからこそ、遺影の扱い方には自由度があり、ご家族の考え方やライフスタイルに合わせて柔軟に決めることができます。

「遺影を処分するのは故人に対して失礼ではないか」と心配される方もいらっしゃいますが、大切なのは故人への敬意と感謝の気持ちです。形式にとらわれすぎず、ご家族が納得できる方法を選ぶことが何より重要です。

四十九日以降の遺影をどうするか

遺影を飾る場所と注意点

四十九日法要を終えた後、遺影をどうするかは大きく分けて 3 つの選択肢があります。それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

そのまま飾り続ける選択

四十九日以降も遺影を飾り続けるご家庭は多くあります。仏間や床の間がある場合は、そこに遺影を飾るのが伝統的な方法です。歴代のご先祖様の遺影と並べて飾ることで、家族の歴史を感じられる空間になります。

最近では、仏間のない住宅も増えています。そのような場合は、リビングや居間など家族が日常的に過ごす場所に遺影を飾る方も増えています。故人の顔を毎日見ることができ、自然に語りかけたり思い出を振り返ったりできる点が魅力です。

仏壇をお持ちの場合は、仏壇の近くに遺影を飾ることもできます。ただし、仏壇や神棚の真上に遺影を置くことは避けましょう。これは仏様やご先祖様を見下ろす形になってしまうためです。仏壇の横や手前に置くことで、自然に手を合わせられる配置になります。

サイズを変えて保管する方法

葬儀で使用する遺影は四切サイズが一般的で、自宅に飾るには大きすぎると感じる方も少なくありません。マンションやアパートなど限られたスペースでは、大きな遺影を常時飾っておくのが難しいこともあるでしょう。

そのような場合は、写真を小さいサイズに焼き直して飾る方法があります。L 判やハガキサイズ程度であれば、棚の上や仏壇の脇に無理なく置けます。元の大きな遺影はスタンドを折りたたんで収納しておき、お盆や法事の際に改めて飾るという使い分けも可能です。

最近では、遺影写真をデジタルデータとして保存する方も増えています。パソコンやスマートフォンに保存しておけば、いつでも見返すことができ、物理的なスペースも必要ありません。デジタルフォトフレームを活用すれば、複数の写真をスライドショーで表示することもできます。

処分する選択

四十九日法要を機に遺影を処分することも、決して不自然なことではありません。特にお盆や法事で遺影を使用する予定がない場合や、すでに十分に故人を偲ぶ時間を過ごせた場合は、処分を選択するご家族もいらっしゃいます。

処分方法として最も一般的なのは、お寺でのお焚き上げです。菩提寺がある場合はそちらに相談し、ない場合は近隣のお寺に問い合わせてみましょう。お焚き上げの費用は 1 万円から 5 万円程度が相場です。宅配で受け付けている供養業者もあり、段ボール一箱 3 千円程度で依頼できるサービスもあります。

葬儀を担当した葬儀社に引き取りを依頼する方法もあります。葬儀プランに含まれていれば無料のこともありますが、別途 3 千円から 5 千円程度の費用がかかる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

自治体のルールに従って一般ゴミとして処分することも可能です。遺影写真は可燃ゴミ、フレームは素材やサイズによって分別が異なります。長辺が 30 センチを超える場合は粗大ゴミになることが多いため、お住まいの自治体のルールを確認してください。故人の写真を他のゴミと一緒に出すことに抵抗がある場合は、遺影だけを別の袋に入れて出すことで、心理的な負担を軽減できます。

遺影を飾る場所と注意点

遺影を飾る場所に厳密な決まりはありませんが、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

避けるべき場所

前述のとおり、仏壇や神棚の真上に遺影を飾ることは避けましょう。これは信仰の対象であるご本尊様やご先祖様を見下ろす形になってしまうためです。仏壇の横や手前であれば問題ありません。

また、直射日光が当たる場所や湿気の多い場所も避けたほうがよいでしょう。写真は紫外線や湿気によって劣化しやすく、色あせや変色の原因になります。長期間きれいな状態で保管したい場合は、風通しの良い日陰を選ぶことが大切です。

おすすめの場所

方角については、東向きや南向きが良いとされることもありますが、これは絶対的なルールではありません。風水や地域の慣習によるものなので、気になる場合は参考にする程度でよいでしょう。

最も大切なのは、ご家族が自然に手を合わせられる場所、故人を身近に感じられる場所に飾ることです。リビングのテレビ台の横、玄関近くの棚、寝室の一角など、ご家族の生活動線に合った場所を選ぶことで、日常的に故人を偲ぶことができます。

住宅事情によっては、まとまったスペースを確保するのが難しいこともあるでしょう。その場合は、小さくリサイズした写真を飾ったり、季節の法事の際だけ飾ったりと、無理のない形で対応することが大切です。

遺影写真を生前に準備するという選択

遺影写真を生前に準備するという選択

最近では、遺影写真を生前に準備される方が増えています。突然の訃報に慌てて写真を探す家族の負担を減らし、自分らしい表情を残せることが大きなメリットです。

生前に遺影を準備するメリット

生前に撮影しておくことで、ご自身が納得できる表情やポーズの写真を遺影として残すことができます。急な訃報の際、ご家族がスマートフォンや古いアルバムから写真を探すのは大変な作業です。中には、最近の写真がなく若い頃の写真しか見つからないというケースもあります。

事前に準備しておけば、ご家族が葬儀の準備に追われる中で写真を選ぶ負担を軽減できます。また、ご自身の希望を伝えておくことで、葬儀全体についても安心して任せることができるでしょう。

何より、遺影撮影を「人生の記念撮影」として前向きに捉えることができます。終活の一環として、自分らしい姿を写真に残すことは、これまでの人生を振り返り、これからを大切に過ごすきっかけにもなります。

シニア世代のための撮影サービス

生前に遺影写真を準備する際、どこで撮影すればよいか悩まれる方もいらっしゃるでしょう。最近では、シニア世代に特化した撮影サービスも登場しています。

例えば、60 代・70 代・80 代のための撮影サービス「ロクナナハチ(678)」では、プロのヘアメイクと撮影技術で、記念日の写真として楽しみながら撮影することができます。全国の写真館で利用できるシニア専門のサービスで、これまでに 12,000 人を超える方が利用されています。

ロクナナハチの特徴は、ヘアメイク、撮影技術、そして変身体験と記念日を組み合わせた 3 つの柱です。「遺影のための撮影」ではなく、「人生の記念撮影」として前向きに楽しめる雰囲気づくりを大切にしています。万が一の際にも使える写真を準備しながら、特別な時間を過ごせる点が支持されています。

こうしたサービスを活用すれば、ご自身が納得できる表情の写真を自然な形で残すことができます。撮影した写真は遺影としてだけでなく、年賀状や敬老の日の記念写真としても活用できるため、一石二鳥の価値があると言えるでしょう。

まとめ

遺影を飾る期間について、改めて整理しておきましょう。

葬儀後から四十九日法要までは、後飾り祭壇に遺影を飾るのが一般的です。宗教によって五十日祭や追悼ミサまでと期間は異なりますが、この期間は故人の魂がこの世に留まるとされ、ご遺族が静かに故人を偲ぶ大切な時間となります。

四十九日以降は、飾り続ける、サイズを変えて保管する、処分するという 3 つの選択肢があります。どの方法を選ぶかは、ご家族の考え方や住宅事情、ライフスタイルによって異なります。大切なのは、故人への敬意を持ちながら、ご家族が納得できる形を選ぶことです。

遺影には宗教的な意味はないため、形式にとらわれすぎる必要はありません。仏壇の近くに飾る、リビングに小さくして飾る、お盆や法事のときだけ飾る、デジタルデータとして保存するなど、現代の暮らしに合った柔軟な対応が可能です。

また、生前に記念撮影として遺影写真を準備しておくことも、ご家族の負担を減らす一つの方法です。ご自身が納得できる表情を残せるだけでなく、人生の節目を祝う前向きな体験にもなります。生前撮影を検討される方は、ロクナナハチ公式サイトでお近くの対応スタジオを探すことができます。

遺影の扱いに正解はありません。ご家族で話し合いながら、故人を大切に思う気持ちを形にしていくことが、何よりも大切なのです。