大切な家族が亡くなったとき、葬儀の準備に追われる中で「遺影写真」を用意しなければならない場面があります。急なことで適切な写真が見つからず、困った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。過去の写真を何枚も見返しながら、限られた時間の中で選ばなければならないのは、精神的にも大きな負担となります。
近年では、スマートフォンの写真加工アプリを使って遺影写真を自分で作成できるようになりました。無料で利用できるアプリも多く、専門業者に依頼するよりも費用を抑えられる点が魅力です。AI技術の進化により、背景の自動切り抜きや画質の向上といった加工が、専門知識がなくても手軽にできるようになっています。しかし、アプリで作成する場合には知っておくべき注意点もあります。
本記事では、遺影写真をアプリで作成する方法について詳しく解説します。おすすめの無料アプリや具体的な加工手順、失敗しないためのポイントまで網羅的にお伝えしますので、遺影写真の準備にお悩みの方はぜひ参考にしてください。また、アプリ以外の選択肢として写真館での生前撮影についてもご紹介します。ご自身やご家族にとって最適な方法を見つける手助けになれば幸いです。
遺影写真とは?その役割と重要性

遺影写真とは、故人を偲ぶために葬儀や法要で使用される写真のことです。通夜や告別式では祭壇に飾られ、参列者が故人の姿を見ながらお別れをするための大切な役割を担います。遺影は単なる写真ではなく、故人の人生を象徴し、残された人々の心に故人の姿を刻む重要な存在です。
遺影写真が使われる場面
遺影写真は葬儀の場面だけでなく、さまざまなシーンで長く使われ続けます。通夜・告別式では祭壇の中央に飾られ、参列者が故人と最後のお別れをする際の象徴となります。祭壇の構成によっては複数のサイズの遺影が必要になることもあり、大きなものは四つ切りサイズ(254mm×305mm)、小さなものはL判やはがきサイズなど、用途に応じて使い分けられます。
葬儀が終わった後も遺影写真の役割は続きます。四十九日法要や一周忌、三回忌といった法事の際には再び飾られ、親族が集まって故人を偲ぶ機会に欠かせない存在となります。また、ご自宅では仏壇の近くに遺影を置いて日常的に故人を偲ぶ方も少なくありません。お盆やお彼岸には特別に飾り直すご家庭もあります。
このように遺影写真は一度きりではなく、何年、何十年にもわたって大切に使われるものです。だからこそ、故人の人柄や温かみが伝わる良い写真を選びたいと考える方が多いのです。急な準備で後悔しないためにも、遺影写真の重要性を理解しておくことが大切です。
遺影写真を準備するタイミング
従来、遺影写真は故人が亡くなった後に遺族が過去の写真から選ぶのが一般的でした。アルバムを引っ張り出し、スナップ写真の中から遺影にふさわしい一枚を探すという作業は、悲しみの中にある遺族にとって大きな負担となります。適切な写真が見つからず、やむを得ず不本意な写真を使うことになったというケースも珍しくありません。
しかし近年では「終活」の一環として、生前にご自身で遺影写真を準備しておく方が増えています。終活とは、人生の終わりに向けて自分自身で準備を行う活動のことで、遺言書の作成やお墓の準備、身の回りの整理などが含まれます。遺影写真の準備も、この終活の重要な項目の一つとして認識されるようになってきました。
生前に準備しておくメリットは大きく分けて二つあります。一つは、自分が納得できる写真を選べることです。表情や服装、背景など自分の希望を反映した写真を用意できます。もう一つは、遺族の負担を軽減できることです。急な葬儀準備の中で写真を探す手間が省け、精神的にも余裕を持ってお別れの準備ができます。
遺影写真の準備は、早すぎるということはありません。むしろ、元気なうちに笑顔の写真を撮っておくことで、残されるご家族にとっても温かい思い出となるでしょう。70代、80代になってから準備を始める方も多いですが、60代のうちから考え始めることをおすすめします。
遺影写真はアプリで作成できる?

結論から申し上げると、スマートフォンの写真加工アプリを使って遺影写真を作成することは可能です。最近のアプリはAI技術の進化により、背景の切り抜きや画質の向上が簡単にできるようになりました。かつては専門的なソフトウェアと技術が必要だった加工作業が、今ではスマートフォン一台で完結できるのです。ただし、アプリで作成する場合にはメリットとデメリットの両方を理解しておく必要があります。
アプリで遺影を作成するメリット
アプリで遺影写真を作成する最大のメリットは、費用を大幅に抑えられることです。葬儀社や専門の写真加工業者に遺影作成を依頼すると、5,000円から30,000円程度の費用がかかることがあります。葬儀全体の費用が高額になりがちな中、少しでも出費を抑えたいと考える方も多いでしょう。一方、無料アプリを使えばほとんど費用をかけずに作成できます。
また、時間や場所を選ばずに作業できる点も魅力です。葬儀の準備は時間との戦いになることが多いですが、アプリならスマートフォンさえあればすぐに加工を始められます。深夜でも早朝でも、自宅にいながら作業を進められるのは大きな利点でしょう。業者の営業時間を気にする必要もありません。
さらに、何度でもやり直しができることもメリットの一つです。背景の色を変えたい、明るさを調整したいといった場合に、納得いくまで試行錯誤できます。業者に依頼する場合は修正のたびに追加料金がかかったり、時間がかかったりすることがありますが、アプリなら自分のペースで仕上げられます。家族と相談しながら「もう少し明るく」「この背景のほうがいい」といった調整も自由自在です。
プライバシーの観点からも、アプリでの作成にはメリットがあります。故人の写真を外部の業者に渡すことに抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、自分で加工すればそうした心配は不要です。
アプリで遺影を作成するデメリット・注意点
一方で、アプリで遺影を作成する場合にはいくつかの注意点があります。まず、仕上がりの品質が操作する人のスキルに左右されることです。背景の切り抜きが不自然になったり、色調の調整が難しかったりすることがあります。特にスマートフォンの操作に慣れていない方にとっては、思い通りの仕上がりにならないこともあるでしょう。
また、元となる写真の画質が低い場合、アプリで加工しても限界があります。古いガラケーで撮影した写真や、小さなスナップ写真をスキャンしたものなどは、拡大すると画像が粗くなってしまいます。遺影は大きく引き伸ばして使用することが多いため、元の写真の解像度は重要なポイントです。AIによる画質向上機能もありますが、存在しない情報を完全に補うことは難しいのが現状です。
さらに、アプリによっては無料版に透かし(ウォーターマーク)が入ったり、高画質での保存に有料プランへの加入が必要だったりする場合があります。実際に使用する前に、無料でどこまでできるのかを確認しておくことをおすすめします。せっかく時間をかけて加工したのに、最終的に透かしが入ってしまっては台無しです。
時間的な制約もデメリットになりえます。慣れていない方がアプリを使いこなすには、ある程度の学習時間が必要です。葬儀までの限られた時間の中で、アプリの操作を覚えながら作業を進めるのは負担が大きいかもしれません。
遺影写真作成におすすめの無料アプリ5選
ここからは、遺影写真の作成に適した無料アプリを5つご紹介します。それぞれ特徴が異なりますので、ご自身の目的やスキルに合わせて選んでみてください。いずれもiPhoneとAndroidの両方に対応しており、App StoreまたはGoogle Playから無料でダウンロードできます。
PhotoDirector(フォトディレクター)
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台湾のソフトウェア会社CyberLink社が提供する写真編集アプリです。写真編集に必要な機能がひととおり揃っており、初心者からある程度経験のある方まで幅広く対応できます。特に優れているのはAIによる背景の自動切り抜き機能で、人物を綺麗に切り取って別の背景と合成できます。複雑な髪の毛の部分も比較的自然に切り抜けると評判です。肌を滑らかにする美肌機能や、明るさ・コントラストの調整機能も充実しています。操作画面が日本語対応でわかりやすく、チュートリアルも用意されているため、初心者の方でも比較的使いやすいアプリといえるでしょう。基本機能は無料で使用できますが、一部の高度な機能やエフェクトは有料サブスクリプションが必要です。PhotoDirector(フォトディレクター)
BeautyPlus(ビューティープラス)
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もともと自撮り写真の加工アプリとして若い女性を中心に人気を集めていますが、遺影写真の作成にも十分活用できます。AIエンハンス機能を使えば、画質の粗い写真を自動で鮮明にすることが可能です。背景の削除や色の変更、顔のレタッチ機能も搭載されています。特に美肌機能や血色の調整が得意なアプリなので、故人の顔色を自然に整えたい場合に便利です。シワやシミを軽減する機能もありますが、使いすぎると不自然になるため注意が必要です。インターフェースは直感的で使いやすいですが、一部の高度な機能は有料プランへの加入が必要となります。BeautyPlus(ビューティープラス)
Snapseed(スナップシード)
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Googleが提供している完全無料の写真編集アプリです。広告表示もなく、すべての機能を無料で使えるのが大きな魅力です。明るさや色味の調整、部分的な修正、フィルター適用など基本的な編集機能が揃っています。「ブラシ」機能を使えば、写真の一部分だけを明るくしたり、彩度を調整したりすることも可能です。操作がシンプルで直感的に使えるため、あまりアプリに慣れていない方にもおすすめです。ただし、背景の自動切り抜き機能は搭載されていないため、背景を変更したい場合は他のアプリと併用する必要があります。
Snapseed(スナップシード)App Store
Snapseed(スナップシード)Play Store
PhotoLayers(フォトレイヤーズ)
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写真の合成や背景の透過に特化したアプリです。複数の写真を重ね合わせるレイヤー機能が充実しており、人物を切り抜いて別の背景と組み合わせる作業に向いています。最大11枚までの画像を重ねることができ、それぞれの透明度や位置を細かく調整できます。背景を単色に変更したい場合や、故人が好きだった風景と合成したい場合などに活用できます。操作はやや慣れが必要ですが、無料で背景透過ができる数少ないアプリの一つです。広告が表示されることがありますが、機能制限なく使用できます。
PhotoLayers(フォトレイヤーズ)App Store
PhotoLayers(フォトレイヤーズ)Play Store
PicCollage(ピックコラージュ)
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コラージュ作成に特化したアプリですが、単体の写真加工にも対応しています。テンプレートが豊富に用意されており、写真を選んで配置するだけで見栄えの良い仕上がりになります。背景の削除機能もあり、「切り抜き」メニューからAIによる自動切り抜きが利用できます。操作も比較的簡単で、初心者の方でも使いやすいインターフェースです。ただし、無料版で保存した画像にはアプリのロゴ透かしが入る場合があるため、遺影として使用する際は有料版へのアップグレードを検討する必要があるかもしれません。
PicCollage(ピックコラージュ)Play Store
アプリで遺影写真を作成する具体的な手順

実際にアプリを使って遺影写真を作成する際の基本的な流れをご説明します。どのアプリを使う場合でも、おおまかな手順は共通しています。ここでは、一般的な作業の流れと各ステップのポイントをお伝えします。
写真を選ぶ際のポイント
まず最も重要なのは、加工のベースとなる写真選びです。どれだけ優秀なアプリを使っても、元の写真が適切でなければ良い遺影は作れません。遺影に適した写真にはいくつかの条件があります。
顔がはっきりと写っていることが第一条件です。ピントが合っていて、顔が正面もしくはやや斜めを向いている写真が理想的です。横顔や後ろ姿、顔が影になっている写真は避けましょう。サングラスや帽子で顔の一部が隠れている写真も不向きです。(※本人らしさが出ているのであれば、問題ないこともあります。)
また、できるだけ最近撮影された写真を選ぶことをおすすめします。一般的には、亡くなる5年以内に撮影された写真が望ましいとされています。あまりにも若い頃の写真を使うと、参列者が故人だとわかりにくくなることがあります。ただし、闘病中などで表情が辛そうな時期の写真よりは、少し前の元気な頃の写真を選ぶほうが良い場合もあります。ご家族で相談して決めるとよいでしょう。
表情も大切なポイントです。自然な笑顔や穏やかな表情の写真を選ぶと、故人らしさが伝わりやすくなります。証明写真のような無表情よりも、少し微笑んでいる写真のほうが温かみを感じられるでしょう。故人の人柄が伝わる表情を選ぶことで、参列者の心にも残りやすくなります。
画質については、できるだけ高解像度の写真を選んでください。スマートフォンで撮影した写真であれば、近年の機種なら十分な画質があります。古い写真をスキャンして使う場合は、できるだけ高い解像度(300dpi以上)でスキャンしておくことが重要です。プリントした写真からスキャンする場合は、L判よりも大きなサイズの写真のほうが、より高精細にスキャンできます。
背景の切り抜き・変更方法
遺影写真でよく行われる加工の一つが、背景の切り抜きと変更です。旅行先で撮った写真や、家族と一緒に写っている写真から人物だけを切り抜いて、シンプルな背景に差し替えるケースが多いです。背景に他の人や余計なものが写り込んでいると、遺影としてふさわしくない印象になってしまうためです。
PhotoDirectorやBeautyPlusなどのアプリでは、AIが自動で人物を認識して背景を透明にしてくれます。操作方法はアプリによって異なりますが、一般的には「背景削除」「背景を消す」「切り抜き」といったメニューを選択するだけで自動処理が行われます。処理には数秒から十数秒かかりますが、待っているだけで人物の輪郭に沿って切り抜きが完了します。
自動切り抜きの精度は年々向上していますが、完璧ではありません。髪の毛の細かい部分や、服の輪郭が複雑な部分などはうまく切り抜けていないことがあります。多くのアプリでは手動で調整する機能も用意されており、「消しゴム」や「ブラシ」ツールで不要な部分を削除したり、削除しすぎた部分を復元したりできます。拡大表示しながら丁寧に調整すると、より自然な仕上がりになります。
背景を削除したら、新しい背景を設定します。遺影写真の背景としては、ブルーやグレーなどの落ち着いた単色が一般的です。淡いブルーは清潔感があり、多くの方に好まれる色です。グレーはより落ち着いた印象を与えます。最近では、グラデーション背景や、空・花畑・故人が好きだった風景などを背景にするケースも増えています。ご家族の希望や故人の人柄に合わせて選ぶとよいでしょう。
明るさ・色調の調整方法
背景の変更が済んだら、写真全体の明るさや色味を調整します。室内で撮影した写真は暗くなりがちですし、古い写真は色あせていることがあります。こうした問題は、アプリの調整機能である程度改善できます。
明るさの調整では、顔が自然に見える程度に明るくしましょう。暗すぎると表情がわかりにくくなりますが、明るすぎると白飛びして顔の立体感がなくなってしまいます。ほとんどのアプリには「明るさ」のスライダーがあり、プレビューを見ながら調整できます。「露出」という項目がある場合も同様の効果があります。
コントラストを少し上げると、メリハリのある印象になります。ただし、上げすぎると影が強くなりすぎて不自然になるので注意してください。「シャドウ」と「ハイライト」を個別に調整できるアプリでは、暗い部分だけを明るくしたり、明るすぎる部分だけを抑えたりすることも可能です。
色味の調整では、肌の血色が自然に見えるようにすることを意識してください。「彩度」や「自然な彩度」を上げると色が鮮やかになりますが、上げすぎると不自然な仕上がりになりますので、控えめな調整がポイントです。「色温度」や「ホワイトバランス」で全体の色味を調整することもできます。黄色っぽい写真は色温度を下げる(青方向に調整する)と自然になります。
美肌機能を使う場合も、やりすぎると故人の印象と大きく変わってしまうため注意が必要です。シワを完全に消してしまうと、別人のように見えてしまうことがあります。「30%程度の強さで適用する」など、控えめな設定を心がけましょう。
アプリ加工で失敗しないための注意点

アプリで遺影写真を作成する際、仕上がりに満足できないケースも少なくありません。ここでは、よくある失敗例と対策についてお伝えします。事前に知っておくことで、後悔のない遺影写真作成につなげてください。
遺影写真としてふさわしくないNG例
まず避けたいのは、過度な加工です。シワを完全に消したり、顔の輪郭を大幅に変えたりすると、故人とは別人のような仕上がりになってしまいます。美肌アプリの機能をフルに使いたくなる気持ちはわかりますが、遺影写真は故人を偲ぶためのものです。本人の面影が残る程度の自然な加工にとどめることが大切です。参列者が「誰だかわからない」と感じるような仕上がりでは、遺影としての役割を果たせません。
背景の切り抜きが不自然なケースもよく見られます。人物の輪郭がギザギザになっていたり、髪の毛の周りに元の背景色がうっすら残っていたりすると、せっかくの写真が台無しになってしまいます。特に髪の毛の部分は切り抜きが難しく、白い線が残ったり、髪が不自然に途切れたりしやすい部分です。切り抜き後は必ず拡大して細部を確認し、必要に応じて手動で修正しましょう。
また、背景と人物の明るさや色味が合っていないと違和感が生じます。青空の背景なのに人物だけ室内の照明で黄色っぽく写っている、屋外風の背景なのに人物に不自然な影がある、といったケースです。背景を変更する場合は、人物の色味も合わせて調整することを忘れないでください。自然な仕上がりを目指すなら、無理に派手な背景を使わず、シンプルな単色背景を選ぶのも一つの方法です。
画質と印刷サイズの関係
遺影写真は、祭壇に飾る際に大きく引き伸ばして使用することがあります。一般的な遺影のサイズは四つ切り(254mm×305mm)や六つ切り(203mm×254mm)です。葬儀社によってはA4サイズ程度の遺影を用意することもあります。このサイズで綺麗に印刷するためには、元の写真に十分な解像度が必要です。
目安として、四つ切りサイズで印刷する場合は長辺が3,000ピクセル以上あると安心です。これは300dpiで印刷した場合に、約25cm以上の長さに対応できる解像度です。スマートフォンのカメラで撮影した写真であれば、iPhone 8以降の機種やここ5年以内のAndroidスマートフォンなら、多くの場合この条件を満たしています。
しかし、SNSからダウンロードした画像は注意が必要です。InstagramやFacebookなどのSNSでは、アップロード時に画像が圧縮されて解像度が下がっていることがあります。また、LINEで送受信した画像も同様に圧縮されている場合があります。可能であれば、オリジナルの画像データを使用してください。
古いガラケーで撮影した写真は、200万画素程度しかないことも多く、大きく引き伸ばすと画像が粗くなってしまいます。アプリによってはAIで画質を向上させる機能(高画質化機能、エンハンス機能など)もありますが、元の情報がない部分を完全に補うことはできません。解像度が足りない写真を使う場合は、印刷サイズを小さくするか、専門業者に相談することをおすすめします。
アプリ以外の遺影写真の準備方法

アプリでの作成が難しいと感じる方や、より高品質な遺影写真を希望される方には、別の選択肢もあります。ここでは代表的な方法をご紹介します。それぞれにメリット・デメリットがありますので、ご自身の状況に合わせて検討してみてください。
葬儀社・写真加工業者に依頼する
葬儀を依頼する葬儀社では、遺影写真の作成サービスを提供していることがほとんどです。遺族が選んだ写真を渡せば、プロの技術で背景の変更や画質の調整を行ってくれます。葬儀の準備と一緒に依頼できるため、手間がかからない点がメリットです。打ち合わせの際に「背景はブルーで」「少し明るくしてほしい」といった要望も伝えられます。
料金は葬儀社やプランによって異なりますが、遺影作成の基本料金が葬儀費用に含まれていることもあります。追加で加工を依頼する場合は、5,000円から15,000円程度が相場です。急ぎの対応にも慣れているため、翌日の葬儀に間に合わせることも可能な場合が多いです。
また、写真加工を専門とする業者に直接依頼する方法もあります。インターネットで「遺影 加工」「遺影 作成」などと検索すると、多くの業者が見つかります。オンラインで写真データを送り、完成した遺影データを受け取るという流れが一般的です。料金は業者やサービス内容によって異なりますが、3,000円から20,000円程度が相場です。プロに任せることで、自然で美しい仕上がりが期待できます。
ただし、業者に依頼する場合は完成までに数日かかることがあります。急ぎの場合は即日対応や翌日対応が可能かどうかを事前に確認しておきましょう。特急料金が別途かかる場合もあります。
写真館で生前撮影をする
終活の一環として、生前にご自身で遺影写真を撮影しておく方が増えています。写真館での撮影なら、プロのカメラマンが照明や構図を整えてくれるため、自然で美しい写真が残せます。スマートフォンのカメラとは違い、専門の機材と技術で撮影するため、画質も申し分ありません。
生前撮影の大きなメリットは、自分が納得できる写真を選べることです。撮影した複数のカットから好きなものを選べますし、表情や服装も自分で決められます。「もう少し笑顔で」「こっちを向いて」といった要望を伝えながら撮影を進められるのは、生前撮影ならではの特権です。また、ヘアメイクをしてから撮影すれば、より華やかで若々しい仕上がりになります。
たとえば、60代・70代・80代のためのシニア撮影専門サービス「ロクナナハチ(678)」では、プロのヘアメイクと撮影技術で記念日の写真として撮影を楽しむことができます。678という名前は60代・70代・80代を表しており、シニア世代に特化したサービスを展開しています。遺影を前提とした堅苦しい撮影ではなく、「変身体験」として楽しみながら、結果として万が一の時にも使える写真が残せるのが特徴です。ヘアメイク、撮影技術、変身体験という3つの柱を大切にしており、全国の提携写真館で利用できます。累計12,000人以上の方が利用されており(2025年7月現在)、多くのシニア世代から支持を集めています。
生前撮影は「縁起が悪い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし考え方を変えれば、「今の元気な姿を美しく残す記念撮影」ともいえます。還暦や古希、喜寿といった節目の記念として撮影する方も多く、ご家族と一緒に撮影を楽しまれるケースも増えています。遺族への思いやりとして、また自分自身の記念として、前向きに検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
遺影写真は、故人を偲ぶ大切な写真です。葬儀だけでなく、その後の法要やご自宅での供養など、長きにわたって大切にされるものだからこそ、納得のいく一枚を用意したいものです。
スマートフォンのアプリを使えば、費用を抑えながら自分で遺影写真を作成することも可能になりました。PhotoDirectorやBeautyPlus、Snapseedなどの無料アプリを活用すれば、背景の変更や明るさの調整といった基本的な加工ができます。急な準備が必要な場合や、費用を抑えたい場合には有効な選択肢です。
ただし、アプリでの作成には技術的な限界もあります。元の写真の画質が低い場合や、自然な仕上がりにするのが難しいと感じる場合は、葬儀社や専門業者への依頼も検討してみてください。また、生前に写真館で撮影しておけば、より高品質な写真を自分の意思で準備できます。
どの方法を選ぶにしても、大切なのは故人らしさが伝わる写真を用意することです。生前に記念撮影を検討される方は、ロクナナハチ公式サイトでお近くの対応スタジオを探すことができます。ご自身やご家族にとって最適な方法で、心のこもった遺影写真を準備していただければ幸いです。