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ロクナナハチ(678)編集部

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遺影写真を準備する際、多くの方が悩まれるのが背景の選び方です。背景は故人の印象を大きく左右する重要な要素であり、色やデザインによって写真全体の雰囲気が変わります。この記事では、遺影写真の背景選びのポイントから、それぞれの色が持つ意味、そして生前に準備することのメリットまで、専門家の視点から詳しく解説します。

遺影の背景に決まりはあるのか

遺影写真の背景には、厳格なルールや決まりは存在しません。最も大切にすべきは、故人らしさが伝わる背景を選ぶことです。遺影は故人を偲ぶためのものであり、写真を見たときに「この人はこんな人だったな」と自然に思い出せることが何より重要です。

ただし、葬儀という厳粛な場に飾られることを考慮すると、あまりにも派手すぎる背景や、場の雰囲気に合わない背景は避けたほうが良いでしょう。故人の個性を尊重しながらも、参列者が違和感なく故人を偲べる配慮が求められます。

一般的な背景色とその意味

遺影写真でよく使われる背景色には、それぞれ異なる効果や印象があります。ここでは代表的な背景色とその特徴を詳しく見ていきましょう。

ブルー系(水色・青)

遺影_ブルー背景

ブルー系の背景は、遺影写真で最も一般的に選ばれている色です。水色や明るい青は、爽やかで明るい印象を与え、晴れた空を連想させる効果があります。

ブルー系が人気の理由は、日本人の肌色との相性の良さにあります。水色と肌色は補色関係にあるため、背景をブルー系にすることで肌色が自然に強調され、故人の顔立ちがくっきりと浮かび上がります。また、多くの方が着用される黒や紺などの濃い色の服装とも良いコントラストを生み出し、人物をより際立たせる効果があります。

ただし、故人が青系の服を着ている写真を選ぶ場合は、背景と服装が同化してしまう可能性があるため、他の背景色を検討したほうが良いでしょう。

グレー系

グレー_遺影

グレー系の背景は、落ち着いた穏やかな雰囲気を醸し出し、フォーマルな印象を与えます。特に、スーツや和服を着用した写真に適しており、格式ある遺影写真に仕上がります。

また、グレー系の背景が選ばれる理由の一つに、かつての白黒写真のイメージに近いという点があります。昔ながらの遺影写真の雰囲気を大切にしたい方や、シンプルで品格のある仕上がりを望む方に適しています。

グレー系は服装の色を選ばず、どのような装いにも調和しやすい万能な背景色といえます。ただし、暗めのグレーを選ぶと全体的に重い印象になることもあるため、故人の肌色や服装とのバランスを見ながら明るさを調整することが大切です。

ホワイト系(白)

ホワイト_遺影

白い背景は、故人の清らかさや誠実さを表現できる背景として選ばれます。明るく優しい雰囲気を演出でき、故人の肌色を美しく見せる効果もあります。

特に、明るく前向きな性格だった方や、清潔感を大切にされていた方の遺影に適しています。ただし、肌色が明るい方の場合、白背景では顔が浮いて見えることがあるため、わずかにクリーム色がかった白やオフホワイトを選ぶと自然な仕上がりになります。

ピンク系

ピンク_背景遺影

ピンク系の背景は、温かく柔らかい印象を与え、特に女性や明るく元気だった方の遺影に人気があります。桜を連想させる色でもあるため、春生まれの方や桜が好きだった方にもおすすめです。

笑顔の写真との相性も良く、故人の優しい人柄や親しみやすさを表現できます。ただし、濃いピンクやショッキングピンクの服を着た写真の場合は、背景との調和を考えて他の色を選ぶほうが良いでしょう。

その他の色

パープル系は上品で落ち着いた印象を与え、女性に人気の背景色です。イエロー系は明るく華やかな雰囲気を演出できますが、使用する場合は故人の個性や好みに合っているかを慎重に検討しましょう。

自然風景や思い出の場所を背景にする

遺影_桜

単色の背景だけでなく、自然風景や思い出の場所を背景にすることも、故人らしさを表現する素晴らしい選択肢です。

桜や花畑などの自然風景は、華やかで温かみのある遺影写真に仕上がります。特に桜の背景は、男女を問わず人気があり、春らしい明るい雰囲気を演出できます。富士山などの雄大な風景は、特に登山が趣味だった方や自然を愛していた方に適しています。

また、故人が大切にしていた思い出の場所や旅行先の写真をそのまま背景として使うこともできます。この場合、背景まで含めて故人との思い出を鮮明に思い起こすことができ、より個性的で印象深い遺影になります。

ただし、自然風景や思い出の場所を背景にする際は、余計なものや人が写り込んでいないか確認が必要です。写り込みがある場合は、写真館などで加工して故人のみの写真に修正することができます。

背景選びで注意したいポイント

遺影写真の背景を選ぶ際には、いくつかの技術的なポイントにも注意が必要です。

まず、服装の色と背景色のバランスが重要です。背景と服装が同系色だと、人物が背景に埋もれてしまい、顔立ちが不鮮明になってしまいます。適度なコントラストがあることで、故人の姿がくっきりと浮かび上がり、遠くからでも識別しやすい遺影になります。

また、肌色との調和も考慮しましょう。背景が明るすぎると顔が浮いて見え、暗すぎると沈んで見えることがあります。故人の肌の明るさに合わせて、背景の明度を調整することで、より自然で美しい仕上がりになります。

写真の画質も重要な要素です。スナップ写真を引き伸ばして遺影にする場合、元の写真の解像度が低いと画質が粗くなってしまいます。現在のスマートフォンやデジタルカメラは200万画素以上の解像度があるものがほとんどですが、古い機種で撮影した写真を使う場合は注意が必要です。

既存の写真から遺影を作る方法

スタジオ_合成作業_遺影

手持ちのスナップ写真から遺影を作成する場合、写真館や専門業者に依頼することで、背景の変更や修正が可能です。

写真館では、背景の差し替えだけでなく、服装の着せ替え、明るさや色味の調整、不要な写り込みの削除など、さまざまな加工サービスを提供しています。背景加工の費用相場は、基本的な背景変更で6,000円程度から依頼できるところが多く、より高度な修正が必要な場合は10,000円から15,000円程度かかることもあります。

加工技術は年々進歩しており、集合写真の中から故人だけを切り抜いて単独の遺影写真に仕上げたり、古くて色褪せた写真を鮮明に修復したりすることも可能です。ただし、あまりにも小さく写っている写真や、顔がはっきり写っていない写真は、引き伸ばした際に画質が粗くなるため、遺影としての使用が難しい場合があります。

理想的な遺影写真は、故人の胸から上が写っており、顔の大きさが親指大または10円玉大以上あるものです。このサイズがあれば、引き伸ばしても十分な画質を保つことができます。

生前に遺影写真を準備するメリット

近年、終活の一環として生前に遺影写真を準備される方が増えています。生前に撮影することには、多くのメリットがあります。

まず、自分が納得のいく表情や服装、背景を選んで撮影できる点が大きな利点です。急な事態で家族が慌てて写真を選ぶ必要がなくなり、遺族の精神的・時間的な負担を大きく軽減できます。

また、生前撮影は「遺影」というより「記念撮影」として前向きに捉えることができます。プロのカメラマンによる撮影で、ヘアメイクや照明にもこだわった、人生の節目を祝う特別な写真として残すことができるのです。

60代・70代・80代のための撮影サービス「ロクナナハチ(678)」では、プロのヘアメイクと撮影技術で、記念日の写真として生前に撮影することができます。全国の写真館で利用可能なこのシニア専門サービスは、還暦のお祝いや、喜寿のお祝いを楽しみながら、万が一の時にも使える写真を準備できる点が支持されています。

生前撮影では、複数の背景や服装で撮影することも可能です。フォーマルな背景の写真と、自然風景を背景にした写真の両方を用意しておけば、家族が後から選択できる余地も生まれます。

まとめ

遺影写真の背景選びには決まったルールはありませんが、故人らしさを表現できる背景を選ぶことが最も重要です。ブルー系やグレー系などの単色背景は、人物を引き立て葬儀の場にも調和しやすい定番の選択肢です。一方で、桜や花畑などの自然風景、思い出の場所を背景にすることで、より個性的で温かみのある遺影を作ることもできます。

背景を選ぶ際は、服装や肌色とのバランス、顔が引き立つコントラストを意識しましょう。既存のスナップ写真から遺影を作る場合は、写真館での背景加工サービスを利用することで、理想的な仕上がりを実現できます。

そして、可能であれば生前に遺影写真を準備しておくことをおすすめします。記念撮影として楽しみながら、納得のいく写真を残すことができ、家族の負担も軽減できます。生前に記念撮影を検討される方は、ロクナナハチ公式サイト(https://678photo.com/)でお近くの対応スタジオを探すことができます。

遺影は故人を偲び、その人柄を伝える大切な写真です。背景選びを通じて、故人らしさが伝わる温かな遺影写真を準備しましょう。